最終更新日 2024.4.19

BtoBでの新規開拓の鍵とは?課題を乗り越える戦略とテクニックで「売り続ける組織」を構築

BtoBにおいて、新規開拓の方法に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。 

BtoBに限らず、多くの企業は新規顧客を開拓して自社の製品やサービスの売上をいかに増やすかに頭を悩ませているでしょう。 

中でも製造業や流通業などの企業に生産設備・電子部品・物流サービスなどを提供するBtoB企業は、扱う商材やサービスが高価で用途が限定されることなどもあり、新規顧客開拓は容易ではありません。 

本記事では、BtoBで新規開拓する主な方法と課題、ポイントを解説していきます。 

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目次

BtoBで新規開拓する主な方法

まずは、BtoBで新規開拓する主な方法について、以下8点を解説します。

  • 訪問営業
  • インサイドセールス
  • ダイレクトメール
  • 広告
  • オウンドメディア
  • SNS運用
  • Web広告
  • Webセミナー 

それでは、1つずつ確認していきましょう。 

訪問営業

1つ目の方法は、訪問営業です。訪問営業とは、営業担当者が直接、顧客や見込み客を訪問することです。

顧客と直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることで、顧客のニーズや課題を深く理解して、信頼関係を構築することができます。また、製品やサービスのデモンストレーションを直接見せることができるため、顧客の疑問や懸念に即座に応えられることもメリットです。

訪問営業の場合は、顧客に合わせた個別のアプローチができるので、新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化がしやすくなります。

インサイドセールス 

2つ目の方法は、インサイドセールスです。インサイドセールスは、電話、メール、ビデオ会議などのデジタルツールを駆使して、自社内から顧客や見込み客にアプローチする手法です。

インサイドセールスの場合、場所に捉われない広範囲の顧客にリーチ可能で、効率的に多くの見込み客と接触できます。しかも、データの収集・分析をしやすく、顧客のニーズに合わせパーソナライズされた提案が可能になります。

インサイドセールスは、時間とコストの効率化を図りつつ、顧客との強固な関係構築を目指すアプローチです。

ダイレクトメール

3つ目の方法は、ダイレクトメールです。ダイレクトメールは、特定の顧客に直接アプローチする手法です。Eメールで直接相手に配信したり、郵送物で顧客の住所に届けたりする方法があります。

ターゲットとする顧客層に合わせてカスタマイズ可能であり、個別のニーズや関心に合わせた内容を提供できる点が大きな強みです。特に、郵送物はデジタルメディアと異なり、直接手に取ってもらうことで顧客の記憶に残りやすく、ブランド認知度も向上するでしょう。

効果的なダイレクトメールキャンペーンは、顧客との長期的な関係構築のためにも有効な戦略です。

広告

4つ目の方法は、広告です。広告は、ターゲットとなるビジネス顧客が既に関心を持っているコンテンツの中で自社の製品やサービスを紹介する機会を提供します。

広告を配信すれば、多くのユーザーの目に留まることはもちろん、業界内でもより目立つようになり、潜在的なビジネスチャンスを生み出すための効果的な方法です。

 

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オウンドメディア

5つ目の方法は、オウンドメディアです。企業が自ら管理しコンテンツを提供するWebサイトや、ブログなどのオウンドメディアで新規開拓する方法があります。企業は、オウンドメディアを通じて自社の製品やサービス、業界の専門知識など、深く掘り下げた有益な情報を提供することが可能です。

ターゲットとするビジネス顧客に対して価値あるコンテンツを継続的に提供することで、自社のブランド認知度を高めることもできます。オウンドメディアは、顧客からの直接的なフィードバックを得られる場でもあり、顧客ニーズについて理解を深め、製品やサービスの改善に繋げられる重要な戦略です。

SNS運用

6つ目の方法は、SNS運用です。BtoBビジネスにおける新規開拓手段として、インスタグラム、Twitter、Facebook、YouTubeなどのSNS運用が注目されています。

SNSを利用することで、企業はターゲット市場に合わせたコンテンツを定期的に共有でき、顧客との関係を深められるでしょう。

また、インタラクティブな機能を活用することで、顧客からのフィードバックを直接受け取り、製品やサービスを改善する機会を得ることもできます。SNSの運用は、ブランド力を強化し、潜在顧客とのエンゲージメントを促進する重要な戦略です。

Web広告

7つ目の方法は、Web広告です。BtoBビジネスの新規開拓では、Google広告やYahoo!広告などのWeb広告運用が有効です。

Web広告を通じて、企業は特定のキーワード検索や利用者の興味・関心に基づいて、自社の製品やサービスをピンポイントでターゲット顧客に紹介できます。

Web広告の大きな利点は、予算、対象地域、表示時間などを細かく設定でき、しかもリアルタイムでパフォーマンス追跡が可能なことなど、柔軟性と測定可能性にあります。これにより、キャンペーンの効果を即座に評価し、必要に応じて最適化できます。

Web広告は、効率的なリソース配分とROIの最大化を実現し、BtoB市場における新規顧客の獲得とビジネス成長を促進します。

Webセミナー

8つ目の方法は、Webセミナーです。Webセミナーを通じて、企業は広範な潜在顧客へのリーチが可能になります。

Webセミナーでは、製品デモンストレーション、業界のトレンド解説、専門知識の共有など、多岐にわたる内容を提供でき、参加者との関係を深め、信頼関係を築けます。

また、リアルタイムでの質疑応答セッションを設けることで、顧客の疑問や懸念に直接対応し、よりパーソナライズな情報提供が可能になるでしょう。

 

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BtoBでの新規開拓における課題

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ここからは、BtoBでの新規開拓における課題について、以下3点を解説します。

  • 予算における課題
  • 商材・サービスが高価
  • 売れる人材不足

それでは、1つずつ確認していきましょう。

予算における課題

1つ目の課題は、予算における課題です。BtoB事業の顧客は企業であるため、商材・サービスの購入には予算の割り当てがあるでしょう。

予算取りのタイミングであれば、事前に提案して見積仕様書・見積書を提出する必要があります。顧客企業が確保している予算内の費用で提案できなければ、予算に見合わないと判断され、失注になってしまうリスクがあります。また、年度単位で予算取りをしている企業も多く、提案時期によっては、予算取りのタイミングから外れてしまうこともあるでしょう。

菓子や洋服などのBtoCの一般消費財であれば「騒動買い」もありえますが、BtoBでは「予算ありき」  で取引が行われます。そのため、営業は予算を確保してもらうために熱心にプレゼンするなど、商品・サービスの必要性を感じてもらえるように活動しなければなりません。

商材・サービスが高価

2つ目の課題は、BtoB企業向けの商材・サービスが高価である場合が多いことです。そのため、顧客企業は購入することでどれだけのメリットがあるのか、費用対効果を時間をかけて徹底的に比較・検討することになるでしょう。さらに稟議書を回して社内上層部の意向を確認するケースもあるでしょう。

また、高価な分、顧客企業は複数企業から相見積もりを取るケースもあります。営業担当者が顧客企業の担当者と会うときには、既に「価格交渉のみ」の段階になっていることもあるほどです。

売れる人材不足

3つ目の課題は、売れる人材が不足していることです。BtoBでは購入金額が大きく、内容によっては専門知識が必要なため、自社に売れる営業が不足している場合があります。

自社の商材・サービスについて概要しか知らないため、顧客から細かな詳細を聞かれた時に回答ができずに、失注になってしまうケースが少なくありません。近年では、若手の離職に悩む企業も多く、人材の採用もうまくいかないために、このような課題を抱えている企業も少なくないでしょう。

BtoBの新規開拓で成果を出す組織になる6つのポイント

ここからは、BtoBの新規開拓で成果を出す組織になるためのポイントを6点解説します。

  • 必要な知識の学習
  • 活動内容の見直し
  • 「モノ」から「コト」への変更
  • 顧客への共感
  • 営業の勝ちパターンを作る
  • 買わない理由をなくしていく

それでは、1つずつ確認していきましょう。

 

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必要な知識の学習

1つ目は、必要な知識の学習です。BtoBの新規開拓で成果を出すためには、BtoBの特有の知識を学ぶことが重要です。

例えば、市場分析、競合分析、ターゲット顧客の特定、効果的なセールスアプローチ手法の習得などが含まれます。業界のトレンドを理解し、顧客のビジネスニーズに対する深い洞察を持つことで、関連性の高い提案も可能となるでしょう。

また、最新のセールスツールやテクノロジーを駆使する知識も必要です。これらの知識を習得し、チーム内で共有することで、組織全体のセールススキルが向上し、新規開拓の効率が大幅に高まります。

活動内容の見直し

2つ目は、活動内容の見直しです。BtoBの新規開拓において成果を出すためには、活動内容の柔軟な見直しが不可欠です。例えば、フィールドセールスを中心としたアプローチが期待通りの結果をもたらさない場合、インサイドセールスのような代替手段へのシフトを検討する必要があります。

インサイドセールスでは、電話、メール、ビデオ会議などのデジタルツールを活用して、オフィスから顧客や見込み客にアプローチします。このような戦略の見直しにより、リソースの最適化、リーチの拡大、コストの削減など、効率的な新規開拓の道が開けるでしょう。

市場や顧客のニーズは常に変化するため、新規開拓を成功させる上で柔軟な戦略調整が欠かせません。

「モノ」から「コト」への変更

3つ目は、「モノ」から「コト」への変更です。BtoBでは、商材・サービスを主とする営業活動も多いですが、BtoB商材は似た製品も多く価格競争になりがちなことも課題です。

しかし、近年では、単に商材・サービスを「売り切る」のではなく、SaaSなどサービスによってもたらされる価値や顧客体験を売る、いわゆる「モノ売り」から「コト売り」へのシフトが進んでいます。「コト」の商談はこれまでの「モノ売り」の商談とは進め方が異なり、顧客体験に価値を感じてもらうことが重要です。

提供するサービスの内容はもちろん、営業担当者など活動の内容もその1つです。顧客に適切なタイミングでアプローチし、情報を提供するためにインサイドセールスを強化したり、営業をアウトソースしたりする施策を実施し、顧客に自社の魅力を伝えましょう。

「継続的に結果を出し続ける」営業活動ができないという課題を抱える企業は、「コト」に注目して活動することで、「売り続ける組織」を目指すことが大切です。

顧客への共感

4つ目は、顧客への共感です。商品・サービスを提供するときは、顧客の共感を得ることが大切です。興味・関心を惹きつけ、サービスを利用してもらうために、提案するサービスにもたらされる新たな価値や顧客体験の魅力をしっかりと伝えましょう。

また、提案時に営業担当者が自ら顧客に共感する姿勢を示すことで、顧客からの信頼も得やすくなります。顧客の立場になって、顧客の成功を第一に考える営業活動を行いましょう。

関連記事お客様の成長は自社の成長、カスタマーサクセスを考えることの大切さ

営業の勝ちパターンを作る

5つ目は、営業の勝ちパターンを作ることです。SaaSビジネスの進展、インサイドセールスやオンラインでのセールスの増加といったビジネスモデルや環境が大きく変化している中、売るための仕組みをしっかりと作り込むことが大切です。「売り続ける組織」を作るためのキーワードは「データドリブン」です。

売り続ける組織を作るためには、営業をアウトソースすることも有効な方法の1つかもしれません。しかし、営業支援やアポイント取得といったインサイドセールスに特化した一般的な営業代行では、変化の激しい環境の中で売り続ける組織を作ることは難しいでしょう。

博報堂グループのセレブリックスでは、インサイドセールスだけでなく、フィールドセールスやカスタマーサクセスまで幅広くカバーしており、顧客企業のLTVを高め、アップセルやクロスセルへと繋げていきます。

こうした取り組みを可能にしているのが、大企業、ベンチャーを問わず1,200社・12,000サービスの支援実績をベースに開発した独自の「顧客開拓メソッド」による、データドリブンな支援です。この手法は、長年にわたって蓄積してきたデータを分析し、最も効果的な営業手法をメソッドとしています。

データドリブンとは、データ(売上データ・マーケティングデータ・Webの解析データなど)に基づいて次のアクションをすることです。BtoB新規開拓において、過去の営業の売上実績を元に売れる営業の仕組み、勝ちパターンを作ることが可能です。

関連記事組織に「売れる営業の仕組み」を根付かせるデータドリブンな営業代行

買わない理由をなくしていく

6つ目は、買わない理由をなくしていくことです。顧客を新規開拓する場合の前提として「お客様は買おうと思っていない」「買ってくれるお客様よりも買わないお客様の方が多い」「買った理由よりも『買わなかった理由』を早く知ることができる」といったことがあります。

こうした前提をもとに、顧客企業が「買わなかった理由」を体系化し、「買わない理由」をなくしていく取り組みを実践してきました。

さらに、顧客開拓メソッドには、現在進行形で支援している営業活動のデータもリアルタイムで蓄積し、受注・失注分析や商談の音声解析など、「現場で発生している生の情報」もデータとして蓄積されています。これによりSOL(Sales of Opportunity Lead:購買のタイミングが明確になったリード)を明確化できるだけでなく、「買わない理由をなくす」ノウハウを共有することで営業部門のスキル平準化にも繋がります。

こうした取り組みから、より成功率の高い営業手法、つまり営業の「勝ちパターン」を作り、売り続ける組織づくりを可能としているのです。

この営業の「勝ちパターン」を導き出す際も、データを重視しています。市場分析はもちろんのこと、お客様の課題は何か、今は購入を検討していなくても将来的に検討の余地はあるか、どのような製品・サービスなら必要だと考えるかなど、営業を進める上での準備や実際の顧客企業の声を集め、分析することで勝ちパターンを導き出しているのです。

まとめ

本記事では、BtoB新規開拓について、方法と課題、ポイントを紹介しました。BtoB企業の営業において重要なことは、単に目先の売上だけを追うのではなく、継続的に売り続け、お客様、さらにその先にいるお客様を含めたカスタマーサクセスを実現することです。

そのためには、データを蓄積・分析するノウハウを身につけ、営業の「勝ちパターン」を作り出すことです。これが遠回りのようで、実は一番の近道になるでしょう。

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加納 圭将(かのう・けいすけ)

株式会社セレブリックス マーケティング本部 営業企画部 リーダー

2017年に株式会社セレブリックスに中途入社後、採用管理システムや飲食メディアの新規開拓プロジェクトに従事。
その後セレブリックスの新規案件獲得のインサイドセールスや各種セールステックの設計および管理を担う。現在はマーケティング部門のリーダーとしてマーケティング戦略を推進。

戦略的な営業活動に関心のある方へ
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