はじめに~HAKUHODO EC+とは
桑嶋 剛史(博報堂 地域DXソリューションリーダー)
私自身、地域DXソリューションのリーダーとして、各地域の事業者や自治体のDX支援に邁進しているわけですが、まずHAKUHODO EC+に関して簡単にご紹介させていただきます。
HAKUHODO EC+は、2021年に設立された博報堂DYグループの事業プロデュース組織で、ECを核に各事業者、企業の事業成長を実現することを目的にしています。具体的には、EC事業を戦略フェーズから戦術・実装・運用フェーズまで、ワンストップで支援させていただくチームです。
一般的にECの支援というと、デジタルマーケティングの領域、システムの領域といった具合に細分化されているケースが多いと思いますが、HAKUHODO EC+では、博報堂DYグループ傘下の各企業と協働・連携しながら、フロントの話からバックエンドの話まで全てを、一気通貫にワンチームでご支援できる強みを持っています。
地域DXソリューションの活動と取組み事例について
パンデミックの収束とそれにともなう生活者の消費行動の変化が見られる中、地域の事業者にとって、今、ECは大きなチャンスです。なぜなら、デジタルを軸に、生活者に対して情報を拡散することで、既存の流通網を超えた販促が可能になったためです。
その一方で、各地域の事業者が直面している課題として、専門人材や組織が不足しがちということが挙げられます。
こうした地域課題に対して、2023年にローンチされたのが、「地域DXソリューション」です。このソリューションは、地域の自治体や事業者に特化したDX支援ソリューションです。HAKUHODO EC+の豊富なノウハウ・ネットワークで、専門人材や組織の不足を解決する専門ソリューションおよび支援体制をご提供します。
この「地域DXソリューション」には、「産地直送ECモール立ち上げ」「EC事業判断」「ECモール運用代行」「新商品開発」「地域ライブコマース」「地域DX教育」という6つのメニューがあり、実際、さまざまな自治体、事業者の皆さまと数々のチャレンジをしています。
産地直送ECモール立ち上げソリューション
このソリューションは、地場の事業者を束ねる産地直送ECモールの立ち上げを、HAKUHODO EC+が構築、運用、そして日々のPDCAに至るまでをワンストップで支援するというものです。
例えば、東北地域のECモール、岡山県のECモールというように、エリアごとのECモールを立ち上げて、そこにお客様を連れてくる、またそこに出店する事業者も束ねていくイメージです。
事業者の加盟促進、データ管理や店長業務、ピックアップから配送までの物流運営、そして広告宣伝領域からコールセンターでの顧客対応まで、すべてのフェーズで対応します。
EC事業診断ソリューション
こちらについては、EC事業立ち上げのプロ集団が、事業計画策案やチャネルの選定といった初期診断・戦略策定をサポートします。
ECモール運用代行ソリューション
ECモールへの参入に際して、人材や組織はもとより、日々の運用が現実的に難しいという課題を抱えている皆様を支援させていただくソリューションです。
実際に、運用に特化した専門チームを派遣して、基本的な運用業務の代行や、オリジナルデータを活用した出品サポートを行い、他社と差をつけるモール運用を実現します。
新商品開発ソリューション
新商品の開発、とくに地域の特産品の開発という課題に対して、販売計画を作るところから、商品の仕様やネーミング、デザイン、資材調達、そしてそれを生活者に届けていくコミュニケーション設計に至るまでをトータルでサポートします。
地域ライブコマースソリューション
HAKUHODO EC+には、ライブコマースに特化した「HAKUHODO Live Commerce+」という専門チームがあります。その知見を使って、地域の特色を生かしたライブコマースの企画と運用、そしてそのPDCAを回すところまでを支援します。
戦略を作るところからキャスティング、実際のライブ配信まで、一気通貫でご支援できるので、事業成長に直結するライブコマースが実現できます。
実際、ある自治体では、視聴者が見たくなるコンテンツを吟味して番組化し、売り上げに大きく貢献した例もあります。
地域DX教育ソリューション
文字通り、地場の事業者・マーケター向けに、DX・EC関連知識をインプットし、デジタル人材を育成するソリューションです。
Eラーニングシステムの提供やEC事業勉強会、EC店長業務のハンズオン研修が主なメニューになりますが、併せて経営者向けのDX並走支援も行っています。
レポート続編はこちらから⇒地域DXの進化 6つの新ソリューションで未来を切り拓く|ウェビナーレポート(後編)