コロナ禍を機に、生活者のEC利用が浸透し、市場規模は拡大傾向にあります。その一方で、リアル店舗で行っているような対面接客による購入の後押しが存在しないECでは、お客様が購入検討段階で離脱してしまう機会損失が多く見られます。
実際に、接客CVR(コンバージョン率)を比較すると、リアル店舗が20%であるのに対してECは1%※と、両者には大きな差があります。 ※NTM調べ
その差を埋めるべく、ツールなどを使ってオンラインで接客体験を提供したいものの、ノウハウやリソースの不足によって実現できなかったり、十分な効果を得られなかったりする企業も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、博報堂グループの日本トータルテレマーケティング(NTM)が、オンラインで提供すべき効果的な接客体験や、その設計・運用・リソース・ツールのすべてを含むワンパッケージの新ソリューション「OMOTE」について解説します。
博報堂グループでは、ECサイトの構築から出荷作業までトータルサポート「EC・フルフィルメント」を提供しています。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら(WEB接客サービス「OMOTE」の詳細や活用事例もご案内しています)
目次
「Commerce Anywhere」時代にECビジネスを成功させるには?
テクノロジーの進化や配送スピードの迅速化をはじめ、ECを取り巻く環境は日々大きな変化を遂げています。お客様のタッチポイントの多様化も加速し、ECサイトに加えてアプリ、SNSなどが浸透し、それらがひとつながりになった購買行動が形成されています。
こうしたひとつながりの購買行動を、博報堂は「Commerce Anywhere」と呼んでいます。お客様が商品を購入する場所を選ばない(=Anywhere)という意識が定着し、ECが購買の選択肢として当たり前になると同時に、「人」「モノ」「売り場」「データ」がオンラインに集約されていくことが予想されます。
これまで、ECで成功する企業はダイレクトマーケティングの戦略に基づき、デジタルアドを中心とした運用効率化に軸足を置き、チャネル媒体のKPIをデイリーで見ることを重視していました。しかし、「Commerce Anywhere」の時代が訪れたいま、ダイレクトマーケティングにブランドの発想をかけ合わせてPDCAを回す視点が必要とされています。
特に、お客様と直につながりを持てるD2C型の自社ECでは、ダイレクトマーケティングにおける数値管理の手法も意識しながら、お客様に愛されるブランド体験をいかに設計するかが重要になっているのです。
ECを利便性と体験価値の2軸で捉えたとき、大手のECモールは配送やポイント還元、価格比較といった多くの利便性を兼ね備えています。D2C型の自社ECでそれらに対抗するためには、利便性を超えた体験価値=ブランド体験を提供する必要があります。具体的には、ロイヤリティプログラムやOne to Oneコミュニケーションを通してお客様の声をヒアリングし、業界ごとの勝ちパターンを分析し、正しい顧客体験を作ることが成功のポイントです。
EC領域の横断型組織であるHAKUHODO EC+には、ECの各領域のスペシャリストが一同に介しており、生活者が求める新たなEC購買体験をフルファネルで支援しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
あらゆるバリューチェーンにおいて多様化する課題に対して
トータルサポートが可能なチーム体制を構築
オンラインの双方向型コミュニケーションでファン創出を支援
ECビジネスで成功するための方法として、今回はNTMが提供を開始したWEB接客サービス「OMOTE」ついてご説明します。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
D2C型の自社ECにおいて、ブランド体験を提供し、ブランド価値を浸透させることの重要性は先に述べました。「最高の体験を提供すること」が「ファン」を生み、その「ファン」が事業・ブランドを成長させ、LTV(ライフタイムバリュー)を最適化するという考え方です。
その際、双方向のコミュニケーションが非常に大切です。ブランド側からの一方通行の情報発信で完結してしまうと情報過多に陥り、生活者の検索疲れやコンテンツ疲れによる離脱を招いてしまいます。
そこで、お客様にパーソナライズした情報提供をするためのソリューションが「OMOTE」です。リアル店舗と同様に、デジタル領域でも“おもてなし”を提供し、双方向型のコミュニケーションを実現して「ファン」の創出を支援することを目的としています。
「OMOTE」は、ECには接客が存在しないという考え方からスタートしています。リアル店舗の購買行動には、お客様が店舗を回遊し、自分に合うものや知りたいものを選ぶ過程で、店員の接客による双方向のコミュニケーションが発生し、購買に結びついています。
一方、ECには接客が存在しないため、購買行動がお客様の能動性に依存しています。お客様が商品を探す、商品詳細を読む、ページを回遊するといった過程で、購買の離脱が生じていないか。そこにリアル店舗とECのコンバージョン率の差の原因があると考えました。もちろん、MAツールやチャットツールなど、ECでお客様とコミュニケーションを図るツールは存在します。しかし、本当にお客様とのコミュニケーションが発生しているか、コンバージョンにつながっているか、どのように効果を測定すべきかなど、課題を感じている企業も少なくありません。
「OMOTE」は、そうしたツールの運用を代行するサービスです。ツールそのものではなく、企業が選んだツールの運用をサポートするという点にご注意ください。
お客様の体験を設計し、店舗同様の“おもてなし”をオンラインで提供
「OMOTE」の具体的なサービスについてご紹介します。
1.体験設計
ECサイトを訪れた際、お客様がどのページを閲覧しても「お問い合わせはこちら」というチャット誘導が出てくるUXをよく目にします。しかし、それではお客様との効果的なコミュニケーションは生まれません。
例えば、お客様が閲覧しているページに応じて「コーディネートの相談にのります」「サイズ感や質感はいかがですか」と質問を切り替える。こうしたお客様に合わせた体験設計が重要であり、「OMOTE」がサポートできる部分です。
当然のことですが、リアル店舗では店員がお客様の行動に合わせた声がけを行います。そこで、下記の対話事例のように、お客様の行動に合わせた接客をオンラインで再現することで、チャット流入が5倍に上がるなどの効果が証明されています。
2.Bot構築&チューニング代行
体験設計した後の実装作業の代行も「OMOTE」のサービスです。その際のポイントは、シナリオを評価するKPIのデザインです。
NTMの導入実績を活かした“成功するKPIモデル”をベースに、各企業向けに調整した上で、下記のように構築方針策定、シナリオデザイン、KPIマネジメント設計を実施します。
KPIの集計・解析・チューニング案の策定にはリソースや知見が必要になってきますので、NTMの解析テクニックやTipsを活用したサポートを行います。NTMが月次の報告会に向けてKPIのPDCAを回していく運用体制を構築しており、企業には意思決定だけをしてもらう形をとっています。
3.有人WEB接客
NTMはツールやシナリオ任せにせず、ヒューマンタッチの部分で決着をつけることを信条にしており、店頭の接客フローをメソッド化・体系化している点も強みです。
下記のように、メソッドを活用したコミュニケーションを実践しており、従来のコールセンターの「会話は短く効率的に」とは真逆の発想で、長くお客様と会話することで体験価値の向上を図っています。
双方向のコミュニケーションはEC領域以外でも効果を発揮する
「OMOTE」のソリューション導入効果として、ダイレクトに効果が出やすいのが平均購買単価の向上です。最安値を比較して購入するという、EC上でありがちなお客様の購買行動パターンを、人が介在する接客/プレゼンテーションによって変化させ、単価が高いものを購入してもらうことができます。
また、チャットを使った場合のコンバージョンはリアル店舗と同等もしくはそれ以上を誘導することができており、年間購買頻度もチャット未使用ユーザーと比較して2.5倍以上という結果が出ています。
ちなみに、サイト直帰率の改善において、女性のお客様は男性の倍くらいの効果が上がっています。女性は買い物のプロセスを楽しむ傾向にあり、購買行動に接客/プレゼンテーションといった楽しさを提供することがコンバージョンやファン化につながると考えられます。最後に、業種別の導入効果をご紹介します。
これまで例に挙げてきたアパレル業界では、コーディネートWEB接客が有効対話に対して60%以上コンバージョンを上げており、平均購買単価や年間購買回数へも好影響を与えています。また、高額商材であるインテリア業界でも、オンラインで相談できることが優位に働く傾向にあります。
「OMOTE」は、EC以外の領域の業種にも効果的です。例えば、不動産業界における物件売買のリード獲得。特に売却時は一括査定サイトにアクセスするお客様が多く、競争に陥りがちですが、LPの段階で双方向のコミュニケーションがとれるチャットを設置し、有効対話をアノニマスな状態で発生させることができます。
また、自動車業界ではキャンペーンサイトなどにコミュニケーションツールを設けて店舗への送客につなげたり、コスメ業界でもアノニマスな状態で気軽に会話できるチャットツールを用意することで、来店のハードルを下げたりすることに成功しました。
スケジュール感的には、6〜12週間で「OMOTE」を導入することが可能です。オーダーメイドのソリューションですので、ぜひ、企業が抱えている課題感などをお気軽にご相談いただければと思います。
博報堂グループでは、ECサイトの構築から出荷作業までトータルサポート「EC・フルフィルメント」を提供しています。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら(WEB接客サービス「OMOTE」の詳細や活用事例もご案内しています)
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荒木 康之(あらい やすゆき)
日本トータルテレマーケティング株式会社
ECソリューション事業部 ECS営業部グループマネージャー
2009年コンタクトセンター大手ベルシステム24入社。BtoCフルコミッション型アウトバウンドプロジェクトや、2017年からデジタルセールス(有人WEB接客)運用のスキーム構築に従事。2020年よりチャットツールベンダー株式会社空色へ入社。チャットチャネルを介したサービスの営業職を担当。2022年8月より現職。WEB接客サービス「OMOTE」のセールスプログラムの策定、運用設計支援、NTM全体のOMOTE拡販を担当。
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桑嶋 剛史(くわじま たけし)
HAKUHODO EC+ ビジネスコンサルタント
株式会社博報堂 ショッパーマーケティング事業局
メーカーDX推進グループ イノベーションプラニングディレクター
東京大学法学部卒。通販事業の運営チームを経て、博報堂のEC支援チームの旗揚げに参画。食品・消費財・化粧品を中心に、各社のEC支援を担当。米国のデジタルマーケティング会社Kepler社へ短期出向し、アナリストとして分析・運用業務に従事。その後、2000年にチームに復帰。ECを軸に、新規ビジネスの立ち上げや変革、事業設計を得意とする。各種講師や記事/書籍執筆なども担当。