2025.04.03

博報堂グループに聞く —EC業界における現状と課題 デジタルツールの使いこなしが今後の成長の鍵

コロナ禍の巣ごもり需要を受け、電子商取引(EC)市場は急速に拡大。通信販売を営む多くの事業者が恩恵を受けた一方で、業界の変化に対応しきれず苦戦を強いられている事業者の方たちもいます。

本記事では博報堂グループの日本トータルテレマーケティング靏見亮太に、EC業界の現状と課題、業界の変化に対応するための方法などについて伺いました。

博報堂グループでは、マーケティング・集客・EC運営・在庫管理・発送など、ECにまつわるすべてをサポートする「EC・フルフィルメント」を提供しています。
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変化への対応で明暗わかれたEC業界

——まずは電子商取引(EC)業界の現状についてお話いただけますか。

靏見 皆さんもご存知の通り、コロナ禍の巣ごもり需要を受け、EC市場は急速に拡大しました。経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、旅行や飲食などリアル空間に依存しやすいサービス系分野は厳しい状況だったものの、物販系分野の市場規模は前年比21.7%、デジタル系分野は同14.9%と大幅な成長を遂げました。通信販売を営む多くの事業者の方たちが成長の恩恵受けられたのではないでしょうか

BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率

img_800x450_03出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査

大幅な成長を遂げた物販系分野ですが、一方で苦戦している事業者の方も多いと伺っています。その一例がアパレル(衣類・服装雑貨など)領域です。これまでは店頭でお客様とコミュニケーションを取りながら、その方に合ったファッションを提案できていましたが、コロナ禍によってそうした接客が難しくなったことが要因のひとつです。

当社が運営するコンタクトセンターにおいても、同様の変化が起きています。コロナ禍前までは商品の返送やキャンセルなど、購入後のお問い合わせをいただくことが多かったものの、現在では商品の素材・サイズ感・色味など、購入前の問い合わせが非常に多くなっています。

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対面接客とのギャップをどう埋めるか

——「EC総合支援サービス」を提供する皆さんから見て、EC業界の課題はどのようなところにあるとお考えでしょうか?

靏見 課題として挙げるなら「デジタルツールの導入」と「使いこなし」でしょうか。ECサイトで買い物をする生活者の方が増えたものの、通信販売に慣れていない方や、実店舗で販売員さんに相談をしながら購入していた方たちは、スマートフォンの画面などに表示された情報だけではなかな購入の決断を下せないはずです

また、前述の通り購入前のお問い合わせが増えていることから、購入の判断材料となる情報を集めて検討したい方や、通信販売を利用するにしてもある程度の接客を受けたいと思っている方たちが、一定数いるのだと思います。

通信販売でさまざまな商品が手軽に購入できるという便利さの反面、細やかな接客が行いづらくなってしまっている。そこをチャットなどのデジタルツールを活用してカバーしていくのが重要だと考えています。

「チャットボット」について詳しく知りたい方はこちら

デジタルツールの使いこなしについては、多くの事業者が悩まれています。当社においても、チャットなどのデジタルツールを導入したものの、「うまく使いこなせない」「なかなか効果が現れない」といったご相談をいただきます。そのなかでも特に目立つのが、対面接客とのギャップです。

販売員さんであれば商品に関する豊富な知識や接客スキル・ノウハウがあるものの、Web接客は別の方が担当することも少なくありません。前提となる知識・ノウハウが不足しているだけに、テキストだけでの接客に難しさを感じているようです。

とはいえ、コロナ禍の2年間でさまざまな経験値を得られたと思います。今後は、リアル・Webといった空間に関係なく「いかにお客様に良い購入体験をしていただくか」という部分の追究がより重要になってくるかと思います。

デジタルツールの使いこなしが今後の成長の鍵

——今後、EC業界はどのような展開を迎えていくと思われますか?

靏見 デジタルツールを使いこなすことができれば、かなりチャンスが広がると思っています。例えば、コミュニケーション能力に長けた販売員の方が、自分の担当エリアに縛られることなく全国各地のお客様に接客を行うことだって可能です。また、ECサイトのアクセスのピークといわれる午後9時から午前2時の夜間帯に、購入ボタンを押す「最後の一押し」の接客もできますよね。

こうした変化は販売方法に限った話ではありません。デジタルツールによって働く時間や場所に柔軟性が生まれ、育児や介護などを理由に仕事から離れてしまっていた方が復帰できる可能性だってあります。業界の働き方も大きく変えることができると思っています。

とはいえ、デジタルツールはあくまでツールです。繰り返しになりますが、それらを上手く使いこなし、いかに多くのお客様に満足していただける体験を提供できるかが重要なポイントです。そこを考えるのは、いつの時代であっても「人」なのです。

Web上でも店舗同様の購買体験を

——最後に、EC業界の皆さんに向けてメッセージをいただけますか?

靏見 事業者の方によってはWeb接客を行う上で、んなお悩みがあるのではないでしょうか?

  • 自社にどんなツールが適しているかわからない
  • ツールを導入したものの活用方法が見出せない
  • Web接客に関するノウハウがない
  • 土日・夜間帯に接客を担当するリソースがない

当社ではそのようなお悩みに対して、店舗同様の購買体験を可能にするWeb接客サービス「OMOTE(オモテ)」をご提供しています。

■WEB接客サービス「OMOTE」

OMOTE(こちらしか素材がなく… リサイズ等ご対応お願いいたします)■「OMOTE」で実現できること

・顧客ロイヤリティの向上

これまで蓄積してきた豊富な運用におけるナレッジやノウハウをもとに、お客様が検討から購買にいたるまでのあらゆるカスタマージャーニーに対応し、業界経験者をはじめとした顧客対応のプロによるWeb接客で、顧客ロイヤリティの向上を図ります。

・顧客体験の最大化

24時間365日、アパレルやビューティー・コスメ業界などの知見を豊富に持つ専門スタッフの対応が可能となります。多くのプロジェクトを経験してきたプロフェッショナルがお客様のお悩みに寄り添った、高品質なWeb接客を実現します。

・運用のサポート

運営体制の見直しや業務フローの刷新といった運用業務のサポートにも対応いたします(人材活用のご提案も可能です)。

私たちは日々コールセンター運用を行うなかで、さまざまなお客様の「困った」に出会います。それらを深掘りして、寄り添っていく。このように事業者・お客様と共に歩んできた経験を活かして開発したのが「OMOTE」となります。

また、当社には育児や介護によってフルタイムは難しいものの、夜間帯や隙間帯で働きたい方、コロナ禍の影響で仕事がなくなってしまったけれど、販売・接客の経験を活かしたいといった経験者の方々が全国に在籍しています。

何かお困りごとがあればまずはお気軽にご相談ください。顧客体験の向上を目指し、企画・導入・運用など、総合的な支援で皆さまをサポートさせていただきます。

博報堂グループでは、マーケティング・集客・EC運営・在庫管理・発送など、ECにまつわるすべてをサポートする「EC・フルフィルメント」を提供しています。
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NTM_Turumi

靏見亮太(つるみ・りょうた)

日本トータルテレマーケティング株式会社 ECソリューション事業本部 ECソリューション営業統括部 統括部長

大学卒業後、大手アパレル企業に入社しセレクトショップへの卸営業、直営店の運営を経験。その後、レディースアパレル、雑貨、コスメのEC事業運営会社に入社し営業、MDを経験。現在はEC運営事業者様向けに売り上げアップ、業務改善、品質改善を中心に多数のプロジェクトに従事。

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