スタートアップ企業や新規事業を立ち上げたばかりの部門にとっては、受注処理、在庫管理、出荷と配送の手配といった一連の業務の効率化が課題です。
限られた人員でこれらの業務に対応しようとすると、新製品開発やサービスの品質向上など事業拡大に必須な本来の業務に注力できないことも考えられます。
そこで検討したいのが、これら一連の業務をワンストップでアウトソースできるフルフィルメントサービスです。新規事業立ち上げ時にも有効なサービスの特徴を解説します。
目次
新規事業の立ち上げ時に直面する
受注・出荷・配送まで一連の業務課題とは
新たに開発した製品やサービスをもとにビジネスを立ち上げようとするスタートアップをはじめ、ECや通販といった「顧客とダイレクトにつながる」DtoCの新規事業に乗り出そうとするメーカーなどでは、製品やサービスの受注や出荷、在庫の管理など一連の業務に課題を抱えているケースが少なくありません。具体的にどのような課題が考えられるのでしょうか。
新規事業立ち上げ時の課題
受注・出荷・在庫管理・配送まで
一連の業務の関するノウハウと人材の不足
新たな製品やサービスを開発したとしても、それを顧客の手元まできちんと期日通りに届けるには、受注から出荷・在庫管理・配送に必要な車両の手配なども含め、さまざまな業務を遂行するノウハウが求められます。
しかし、ビジネス経験の少ないスタートアップをはじめ、ECや通販などを始める企業の新規事業部門などでは、受注から出荷・在庫管理・配送などの一連の業務に関するノウハウが不足していることがあります。
また、スタートアップや新規事業部門では、「スモールスタート」で新たなビジネスに取り組むことが多く、そもそも人材が足りないこともよくある課題です。それだけではなく、予算が潤沢にないこともあり、受注から出荷・在庫管理・配送などの一連の業務を内製化せざるを得ない場合もあります。
さらに、新規事業を立ち上げた直後には期間限定で会場を借りてキャンペーンを実施したり、アンテナショップを複数の場所で期間をずらしながら展開したりすることもあるでしょう。
その場合、キャンペーン会場やアンテナショップの店舗づくりのためにPOPやテーブル、椅子、パーティションなどを準備しなくてはなりませんが、それらを効率よく手配する業務の経験やノウハウが不足しているケースもあります。
単純にアウトソースするだけでは新規事業立ち上げ時の課題を解決できない
こうしたスタートアップや新規事業部門が直面する課題をどのように解決していけばいいのでしょう。受注から出荷・在庫管理・配送といった一連の業務を内製化し、ノウハウを蓄積していくことも重要ですが、人材が限られた中でその業務に人をあてがうと、新たな製品の開発やサービスの品質向上など、事業を成長させるための本来の業務に注力できなくなってしまいます。
そこで、これらの一連の業務をアウトソースするケースが増えています。ただし、アウトソース先を慎重に選定しないと課題解決には至りません。どのようなことに注意したらいいのでしょうか。
少ロット・短納期・特殊な梱包など
顧客ごとのニーズへの柔軟な対応が求められる
まず、スタートアップや新規事業部門では、はじめのうちは扱う製品が少ロットであることが多く、アウトソースするには規模が小さくコストに見合わないことがあります。そこで、実際にアウトソースを検討する際には、小規模な業務にもコストと業務品質の両面で対応してくれるかどうかを確認することが大切になります。
また、新規事業の立ち上げでは、キャンペーンやアンテナショップを展開することも多く、ある特定の期間だけ受注量が増えることがあります。毎月の受注量が安定しない中で、アウトソース先には、物流量の波動を吸収できるように柔軟に人員を配置できる機能を備えていることが求められます。
さらに、新規事業の内容に応じて、受注や出荷の仕方、在庫管理の方法などを柔軟に変えたいと考えるスタートアップや新規事業部門もあるでしょう。例えば、物流センターにおいて製品ごとの特別な保管方法に対応してもらえるか、特殊な梱包での出荷をしてもらえるかといったニーズへの対応です。顧客ごとのニーズへの柔軟な対応もアウトソース先に求められる機能です。
新規事業の立ち上げをワンストップで支援する日本トータルテレマーケティングのフルフィルメントサービス
新規事業立ち上げの際に直面する、受注、出荷、在庫管理、配送といった一連の業務課題を解決するには、「フルフィルメントサービス」の活用が有効です。博報堂グループの日本トータルテレマーケティング(以下、NTM)が提供しているフルフィルメントサービスは、顧客からの問合せに対応するためのコンタクトセンターや、その後の受注処理、在庫管理、出荷業務、車両手配などをワンストップで提供するサービスです。
幅広いサービスに対応可能
物流業務をワンストップで提供するNTMのフルフィルメントサービス
NTMが提供しているフルフィルメントサービスでは、スタートアップや新規事業部門がスモールスタートでビジネスを開始したときなど、製品や商材の取扱量が少なく、しかも短納期が求められるケースでも柔軟な対応が可能です。
また、スタートアップ企業や新規事業を担う部門における物流業務の課題を解消するためには、商材ごとの出荷量の変動、すなわち繁忙期の波動をできるだけ吸収できる柔軟性を備えたフルフィルメントサービスであるかが求められます。
NTMでは、これまで通信販売のコンタクトセンター業務において豊富な実績とノウハウがあり、それらを生かしてフルフィルメントサービスを提供しています。多くのフルフィルメントサービスの事業者は顧客ごとに専任スタッフを配置しているため、急な出荷量の増大にもあらかじめ決められた専任スタッフで対応しなくてはなりません。そのため出荷量の波動を吸収しにくいのですが、NTMでは一人のスタッフに複数の業務をこなせるスキルを持たせ、顧客ごとではなく案件ごとにスタッフの人数を変化させることで、出荷量の波動を柔軟に吸収できる体制を整えています。
物流業務に関する課題解決に向けてさまざまな方法を提案
さらに、NTMのフルフィルメントサービスでは、スタートアップや新規事業部門の新たなビジネスが軌道に乗るように、次のようなニーズにも対応しています。
- 商材を輸送する際のパッケージの梱包から委託したい
- 配送時に商品代金の決済代行(代引き)をお願いしたい
- 返品処理まで対応できる人手が足りないため、商品を受け取って返品処理を委託したい
パッケージの梱包では、梱包の仕方を工夫することで商品の形状やサイズに合わせた最適な梱包方法を提案できます。代引きなどの決済代行業務にも対応することで、受注から出荷、お客様先にお届けする物流、そして代金の回収までを担当。さらに、返品があったときの対応も含め、新規ビジネス立ち上げに必要な一連の業務をフルフィルメントサービスでサポートします。
ある食品会社では、自社の製品を使った料理の注文をWebサイトで受け付け、宅配サービスとして提供するといったアイデアがあり、これをフルフィルメントサービスで活用できないかといった相談もありました。
埼玉県の「狭山日高フルフィルメントセンター」で先進的なフルフィルメントサービスを見学・体感できる
NTMでは、埼玉県日高市・川越市に自社の物流拠点を構えています。なかでも埼玉県日高市にある「狭山日高フルフィルメントセンター」では、作業の標準化と省人化に取り組み、特定のベテラン作業者や一部のノウハウ取得者だけしか対応できない業務を改善。安定的な「高品質なローコスト物流オペレーション体制」を構築しています。
さらに、商品・納品書・配送伝票など個人情報に関わる重要な情報を全て一元管理し、独自のDX化を推し進め厳重なセキュリティのもと、クライアントの信用を損なうリスクを最大限に回避しています。
こうした狭山日高フルフィルメントセンターでの業務の様子を、実際に見学いただくことができます。見学は随時受け付けているため、新規事業の立ち上げにあたって物流業務の委託を検討している企業のご担当者の皆さまは、ぜひ一度センターの見学にお申し込みください。
狭山日高フルフィルメントセンターへの見学依頼はこちらから

飯山 大介(いいやま だいすけ)
日本トータルテレマーケティング株式会社 フルフィルメント営業部 部長
2011年に日本トータルテレマーケティング株式会社での本格的なフルフィルメント事業立ち上げを機に入社。BtoB、BtoCのフルフィルメント業務を中心に営業・運用設計・マネジメントを担当。現在も博報堂グループとのフルフィルメント領域での連携を中心に担当。