営業の役割とは
営業パーソンが顧客に対して行うべきことは、自社のサービスや商品の説明や紹介をすることではありません。
冒頭でも触れましたが、営業の役割は顧客が抱える課題、あるいは顧客自身がまだ認識していない課題を見つけて、それを解決する方法を一緒に考えることです。
商談はあくまで、顧客が営業パーソンやその会社を見極めるための面接であり、厳密には商品やサービスの購入を目的としていません。まずは話を聞いてみよう、会ってみようという段階になります。
その段階で「自社のサービス・商品はこんなに優れています!」「このようなメリットを提供できるので買ってください!」と伝えたところで、信用もなければクロージングも不十分なので、顧客は本気で答えてくれません。
まず必要なのは、顧客が現状どんなことに課題を感じているのか聞き出すことなのです。
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商談の中で顧客のニーズを聞き出せるかどうかは、営業パーソンの聞き出す力にかかっています。ただ単純に「現状抱えている課題はありませんか?」と聞いても、なかなか話は進まないでしょう。
顧客が抱える課題の状態には大きく分けて2つの種類があります。
- 顧客自身が課題を理解していて、解決する方法を探している状態
- 顧客自身が課題を認識していない状態
1.の顧客の場合はシンプルで、課題解決の可否と必要なコストなどで判断されます。そのため相見積もりなどで安く値切られることも少なくありません。
顧客自身が課題解決のために適任な業者を理解しているので、その中から条件に合う会社を見つけることになります。もちろん、その際に優秀なパートナーとして選ばれるためにも課題解決型の営業は必須です。
聞き出す力の重要性
営業パーソンに必要とされる「聞き出す力」は、(2)の顧客を開拓するために必要不可欠な要素です。
顧客自身が認識していない課題を見つけ出し、なおかつその解決方法の提案や解決後のメリットまで教えてくれる営業パーソンを避けようという人はなかなかいません。
だからこそ、商談を行う中で顧客とのコミュニケーションが重要になってきます。
商談を通して顧客との信頼関係や距離が縮まれば、当初は想定していなかった話が出てくることも良くありますし、課題とまでは認識していなくとも「今よりもっといい方法はないだろうか?」と、業務の効率化を考えている案件があるかもしれません。
そのようなケースもあるため、事前に顧客のことを詳細に調べ、「この会社ならこのような点で課題があるのでは」などのように仮説を可能な限り洗い出し、商談中の話題として組み込むのもいいと思います。
その課題は顧客が自認しているかもわかりませんし、その課題を解決することで得られるメリットを把握しているかもわかりません。
逆に言えば、そのような「顧客自身も把握していない課題と、それを解決することによって得られるメリット」を見つけて明確に伝えられるのであれば、顧客にとってその営業パーソンは自社にとって価値ある存在となります。
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営業はカウンセラーでありパートナー
ここまでの内容でお伝えしたいことは、営業パーソンは顧客に商品を売り込む存在ではなく、顧客の不満や悩みを解決するための存在だということです。
そして顧客の悩みを解決するには、その「悩み」を知らなければなりません。そのためには顧客の心にある不満や課題を聞き出す必要があります。
相談者に心の中を吐き出させて、回復に向かわせる心理カウンセラーのようなものです。
営業は顧客のカウンセラーでありパートナーと言えます。それによって課題が明らかになったとき、顧客だけでは対応できない部分の解決策として自社のサービスや商品を提案するのです。
このようなビジネスパートナーとしての関係性を構築し、最終的には会社と会社をつなぐ架け橋となるのが、営業職本来の役割といっても良いでしょう。
まとめ
課題解決型営業と聞くと、課題を聞きに行き解決することが目的のように思われますが、実際には提案よりもまずは聴くことが重要になります。
顧客の優良パートナーとなるためにも、営業パーソンはまず傾聴力を磨きましょう。
もちろん、セレブリックスではこの「聞き出す力」についての研修も行っておりますので、ご興味のある方はお気軽にお声掛けくださいませ。