最終更新日 2024.8.9

Keynote 「愛される」と「成長」をつくるCX|ウェビナーレポート

2024年3月12~15日、博報堂による生活者発想の「トータルなエクスペリエンス」である顧客体験事例を紹介した大型ウェビナーを実施しました。4日間に渡り最新のCX事例を紹介し、多くの方にご視聴いただきましたので、その模様をお伝えします。 

CX(顧客体験)向上に課題がある方へ
博報堂グループでは、継続的に成長するオウンドサービス実現のための戦略立案から、システム・デザイン・コンテンツ開発、サービス運用まで一気通貫でご支援できます。ポストクッキー時代に顧客ID取得の窓口として重要性が高まる「オウンド」。ぜひ「DXD Growth Program」サービス関連資料をご覧ください。

目次

はじめに

スピーカー:茂呂 譲治(HAKUHODO CX FORCE リーダー)

HAKUHODO CX WEEK 2024Keynote、『「愛される」と「成長」を作るCX』ということについてお話させていただきます。

本日は、CXの現在地から、私達HAKUHODO CX FORCEが目指していること、皆様への提供価値についてご紹介させていただきます。CX=顧客体験は多くの企業が取り組んでいる喫緊の課題だと思いますが、もはやCXは、デジタル時代のビジネスを実行する上で、欠かせないテーマです。

その一方でいくつかの課題も見えてきているのが現状です。本日は、こうした課題に対して、私達としての解決策を具体的な事例を通してお話できればと考えています。

CX(顧客体験)の現在地(従来のCXとこれからのCX

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まず、従来のCXとこれからのCXを比較しながら、CXの現在地について考えたいと思います。大きく5つの課題があります。

1つ目は、CXの起点です。顧客体験という言葉にあるように、既存の顧客ニーズを確実に取っていくことはすごく重要ですが、これからは、顧客だけではなく、未顧客はもちろん、従業員を含めた生活者全体の価値を捉えていくことが必要なのではないかと考えます。

2つ目は、パーパスです。従来のCXにおいてはパーパスが体験に反映されきっていないという面があったので、これからは全ての体験にパーパスを反映させることが必要だと思います。

パーパスはもう国内外多くの企業が取り組んでいることだと思いますが、なかなかアクションや体験に反映されていないという声も多く聞きます。やはりパーパスを掲げた以上、これをインナーの体験、顧客体験全てに反映させる必要があると考えます。

3つ目は、オンライン主流だった従来のCXから、これからのCXは、オンラインとオフラインの統合という視点が求められると考えます。

本来、CXは、デジタル基盤のビジネス領域なので、オンラインにはしっかり向き合ってきましたが、体験ということを考えたときに、当然、リアルでの体験も一緒に考える必要があります。ですので、これからはオンラインとオフラインを融合・統合させていく一連のシナリオが必要になってくると考えます。

4つ目はデータです。つまり、従来の顕在データの分析中心から、顕在データと潜在データの統合分析が必要だと考えます。

お客様の不満や顕在化されたニーズをしっかり拾って、スピーディーに対応することはもちろん大事ですが、数多ある声の中から見えてくる潜在的なニーズにも、新しい需要や未来に向けてのヒントが隠されているかもしれません。これからは、顕在的に見えているものと潜在的なもの、両者を融合・統合してこそ、次のビジネスやマーケティングが生まれてくると考えます。 

最後に5つ目ですが、バリューチェーン間の分断という従来のCXから、これからのCXは、バリューチェーン間の統合を考える必要があると考えます。

各々の領域においてしっかりとそのビジネスを育てていくことはもちろん、1つのブランドとして見た時にうまく繋がらなかったり、統合されきっていなかったりする部分を検証して、しっかりと統合していくことが重要だと思います。

「HAKUHODO CX FORCE」のビジョンと強み

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こうした課題感のもと博報堂では、2023年の3月にグループなど24社が集まり、2,000名の横断チーム、「HAKUHODO CX FORCE」を発足しました。CX=顧客体験というと、本当に幅広い領域がありますので、グループ各社それぞれの強みを生かしながら連携して、得意先のバリューチェーン全体に対応する活動体を目指しています。

「HAKUHODO CX FORCE」のビジョン(ステートメント)

CXに新しい風を。
顧客のココロが動かなければ始まらない。
でも、そのことで事業が変革しなければ続かない。
私たちのCXが約束するもの。それは愛される顧客体験と、事業の変革の実現です。
広告の枠を超えて。オンラインとオフラインという壁を越えて。
あらゆる生活接点で顧客とブランドが繋がり続ける、顧客体験の仕組みを生み出していきます。
生活者を見つめ、生活者の声に耳を澄ます。それが愛される顧客体験を作り、事業が変わる。私たちは生活者中心のCXで、事業の変革を実現します。

博報堂および博報堂グループは、クリエイティビティを大事にしている企業ですので、ココロを動かすということを重視しています。しかし、それだけでは駄目で、同時に、ビジネスもしっかり動かしていく。その2つをいかに融合して、顧客体験(CX)を作っていくかということにこだわり続けたいと考える活動体です。

発足から1年間、非常に多くの案件に取り組ませていただいていますが、その中から見えてきた私たちの強みは、やはり、“バリューチェーン全体を繋ぐCX”ということに尽きます。

バリューチェーン全体を繋ぐCX(「HAKUHODO CX FORCE」の強み)

バリューチェーンは「組織人材」「事業」「商品」「サービス」のアッパー領域、「営業商談」「広告販促」「店舗販売」のミドル領域、「CRM」「アフターサービス」のロワー領域といった具合に、大きく3つの領域に分けられます。

例えばアッパー起点でいうと、商品開発・商品改革というご相談が多いと思いますが、時には、そこからビジョンやインナー改革をやったり、お客様との共創型のプラットフォームを作ったり、ECの改革をしたり、そしてマス広告を打ったり、さらにはロワー領域の、リテールメディア事業を展開していく動きが考えられます。(アッパー起点×ミドル・ロワー拡張型)

また、アッパー起点でパーパスを作成して、そこからサービスデザインに取り組んだり、オウンドメディアの改革開発入っていき、マス広告を打つ。さらに最近では、CRM領域で生成系AIを活用する事例が展開される、というような広がりを見せるケースもあります。(アッパー起点×ミドル拡張型)

次にミドル領域を起点とした動きですが、ミドル領域でいうと、弊社が掲げているAaaS(アース)というサービスを活用した、マス広告とデジタル広告の融合という事例が考えられます。

つまり広告を納品して終わりではなくて、そこから見えてくるデータをロワー領域で分析し、その分析結果を基にアッパー領域に逆上がりして、次のターゲットやメディア戦略を作っていくという業務も増えています。(ミドル起点×ロワー・アッパー拡張型)

最後に、多くの企業が抱えている営業職員の皆さんのナレッジやノウハウをデジタル化、DX化しながら、CRMにもしっかり繋げていくという案件があります。

しかも、そこで終わらずに、これらをマス広告やデジタル広告に活かしたり、オウンドメディアの策定、さらには次の中計やサービス開発につなげていったりという、ロワー領域を起点とする業務もあります。(ロワー起点×ミドル・アッパー拡張型)

このように、バリューチェーン全体をつなぐCXには、アッパー、ミドル、ロワーといった、さまざまな入口がありますが、私たち「HAKUHODO CX FORCE」は24社それぞれの強み(人材やアセット)を活かしながら、ひとつながりの実装、運用を可能にすることができます。

それゆえ、今回の「HAKUHODO CX WEEK 2024」では、「生活者エクスペリエンスをトータルにデザインする」というキーメッセージを打ち出させていただきました。

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顧客、未顧客、従業員すべてを「生活者」ととらえ、心を動かすこと、バリューチェーンすべての体験の欠片に、生活者価値・ブランドを宿らせること、データ・テクノロジー(これを私たちは生活者インターフェースと表現しています)をつなげて、持続的なものにすること、マーケティングコミュニケーション領域だけでなくバリューチェーン全体を捉えること、そしてそれらを統合的にマネジメントすること、こういったことが博報堂グループにおける、生活者エクスペリエンス=CXの強みです。 

4つのアプローチ

「生活者エクスペリエンスをトータルにデザインする」これを実行する上では大きく4つのアプローチがあります。

  • 商品・サービス開発起点の生活者エクスペリエンス(DAY1)
  • 社会価値起点の生活者エクスペリエンス(DAY2
  • マーケティングコミュニケーション起点の生活者エクスペリエンス(DAY3
  • CRM起点の生活者エクスペリエンス(DAY4

今回の「 HAKUHODO CX WEEK 2024」では、これらのアプローチの具体的事例を順に紹介させていただきます。

事例を通じてお伝えしたいことは、

  • 心を動かす生活者エクスペリエンスを作るということ
  • データ・テックでつながり続けること
  • 生活者にとっての新しい価値や文化
  • 企業にとってのビジネス成長

4つです。

博報堂グループ、「HAKUHODO CX FORCE」と組むことで、生活者にとって、どんな新しい体験、新しい価値が生まれるのか、そして企業のビジネスにとって、どんな成長機会が生まれるのか、具体的事例を通して、ぜひご体験ください。 

CX(顧客体験)向上に課題がある方へ 

「HAKUHODO CX FORCE」では、生活者価値を起点に、組織・人材・事業戦略領域から、商品・サービス開発、販促・店舗・CRM・アフターサービスに至るまでのバリューチェーン全体のオンラインとオフラインを統合し、すべてのフェーズで優れた顧客体験を提供することができます。企業のビジネス成長を支援し、「長く愛され続ける」ブランド育成につなげ、企業の新たな価値を創出します。⇒ご相談はこちらから

プロフィール

(役職肩書は2024年3月時点のものです)

茂呂 譲治
茂呂 譲治

株式会社博報堂
生活者エクスペリエンスクリエイティブ局 局長/エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 
HAKUDHO CX FORCE リーダー

2011年、博報堂入社。前職では、デジタル起点にマス~店頭までの統合プランニングに従事。ソーシャルメディア時代の行動モデル「SIPS」を開発。現在は、 クリエイティブ組織を率いながら、自らもデジタル時代の企業変革〜顧客体験の実装までを担う。「カンヌ」「ADFEST」「Globe賞」グランプリ他受賞。「ad-tech Tokyo」「Advertising Week Asia」「宣伝会議フォーラム」「IT WEEK」等で、講演。ad-tech2017では、「データ×クリエイティブ」 テーマでモデレーターをつとめ、セッション1位を獲得。

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BIZ GARAGE 編集部

ビジネスをとりまく環境の大きな変化により、最適な手立てを見つけることが求められる現代。
BIZ GARAGEのコラムでは、生活者の心を動かし、ビジネスを動かすために、博報堂グループのソリューションや取り組みのご紹介、新しいビジネスの潮流などをわかりやすく解説しています。

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