限られたラウンダーのリソースを使い、KPIをどう達成するか
近年、人件費や燃料費の高騰などにより、ラウンダーにかかるコストは増えてきています。そのため、KPIに対して常にクオリティの担保は必須であり、高い費用対効果が求められています。
そんな中で、課題として多く挙げられるのが、KPI達成に向けた体系化がなされていないこと。言い換えると、経験値がものをいう世界になっているということです。経験値があることは確かに強みになりますが、コロナ禍によってラウンダー同士の対面での情報交換は少なくなり、そのためノウハウの横展開もしづらくなっています。
これに対し、組織も様々な施策を行い、体系化を進めようと取り組んでいるものの、優先事項はあくまで目の前のKPI達成になるため、リスクを伴うような改善には踏み込めていないのが現状です。
体系化につながるリソースの設計
KPIを達成するためには、いかに体系化を進めるかがポイントになってきます。
そしてその要素として、「どの店舗にどれだけ訪店するか」「いつどの店舗に訪店するか」といった訪店設計の部分が、限られたリソースを最大限活用するうえではとても重要になってきます。
しかし、「どの店舗にどれだけ訪店するか」については、データに基づいた十分な分析がされておらず、訪店することで効果が見込まれるかを判断するための指標が、その店舗の前年売上のみだけのような状態であることが多いです。
また、「いつどの店舗に訪店するか」においては、ラウンダーが個々の知見でスケジュール・ルートを設計しており、その判断基準がブラックボックスになっているため、営業活動において本当に効果的なプランかはわからない状態であることが多いです。
これらのように、精度が不十分なまま訪店設計を行っているため、本当に効果があるのか判断しづらい状態になっています。逆に、この精度を上げていくことで体系化を進めることができ、限られたリソースの中でも費用対効果の最大化につながると考えられます。
ビッグデータ・アルゴリズムを活用した訪店設計
「どの店舗にどれだけ訪店するか」「いつどの店舗に訪店するか」これらの設計においては現状、精度が不十分なままであり、本当に効果的な設計ができているのかはわからない状態ということがわかりました。
そこで我々は、これらを今ある経験値やデータを活用して、アップデートできるのではと考えました。
「どの店舗にどれだけ訪店するか」
限られたラウンダーのリソースを有効に使うためには、効果が薄い店舗に投じるリソースを削減し、より効果が望める店舗に振り分けることが第一。そこで現場における定性的な情報と、売上などの定量データに加え、博報堂グループ独自のマーケティングデータを掛け合わせます。
かつ、豊富なデータの中からどのデータを用いるのかを、博報堂プロダクツのデータサイエンティストが分析することで、KGIに作用する数値的指標を算出することができます。そうすることで要件に合わせた訪店設計が可能になり、ひいてはラウンダーのリソースの有効活用につながり、費用対効果の最大化に貢献できます。
「どの店舗にどれだけ訪店するか」
「いつどの店舗に訪店するか」
ラウンダーの業務の大まかな流れは、準備→訪店→報告。この中で、準備の工程は特に重要な部分です。
その中でも、訪店のスケジューリングについては、店舗の住所や担当者のシフト情報、訪店禁止日など様々な情報をもとに組んでいるため、ラウンダーは苦戦していることが多く、中には1ヶ月のスケジュールの作成に、2~3時間を要しているラウンダーもいます。
そこで、ある一定基準で自動的にスケジュールが組まれる、博報堂プロダクツ独自のアルゴリズムを組み込んだソリューションを開発。ラウンダーがスケジューリングの際に考慮しているデータに加え、優先事項と禁止事項を切り分けてアルゴリズムへ組み込むことで、明確な判断基準のもとスケジューリングが可能となります。
そうすることで、ラウンダーの業務負荷は軽減され、必要なタイミングで訪店できるようになることで営業成果の向上につながります。
「どの店舗にどれだけ訪店するか」
ラウンダーの費用対効果を最大化
ラウンダー領域において、限られたリソースを活かしてKPIを達成するためには、明確な判断基準を設定し、それを元に訪店設計をする必要があります。
しかし、「どの店舗にどれだけ訪店するか」「いつどの店舗に訪店するか」のような訪店設計においては、データ分析が不十分であり判断基準が明確でないために、求めている結果に対して作用する中間指標の選定において、体系化が進められていません。
そうした中で、博報堂プロダクツでは、これらを今ある経験値やデータを活用して、体系化を推進します。独自のデータ分析やアルゴリズムの開発によって、ラウンダーリソースの効果的な配分設計や、作業負荷の軽減が可能になることで、費用対効果の最大化に貢献。店頭での売上向上に必要不可欠な、ラウンダー領域を後押ししていきます。