2023.11.21

フルフィルメントサービスの意味は?EC事業の物流トラブルを解決するサービス

フルフィルメントとは「商品の受注から発送、在庫管理や決済、顧客のカスタマーサポートまでの業務全体」のことです。また、フルフィルメント業務のうち一部もしくは全部を代行するサービスをフルフィルメントサービスと呼びます。

フルフィルメントサービスはEC事業との関連が強く、商品の受注、スムーズな配送、在庫管理や顧客管理などをワンストップでサポートします。

本記事では、フルフィルメントサービスの意味や特徴、EC事業との関係や導入を検討すべき事業者などについて解説していきます。

目次

フルフィルメントサービスの意味は?

フルフィルメントサービスの意味はECサイトや通信販売事業における、商品の受注から発送、在庫管理や決済、顧客のカスタマーサポートなどの業務の一部または全部を代行するサービスです。

拡大するEC市場で成功するためには、良い商品やサービスを提供するだけではなく、タイムロスやチャンスロスをなくす必要があります。

さらに、商品購入後の問い合わせ対応や返金処理など、カスタマーサポートにも注力しなければ顧客満足度は向上しません。

そのような顧客と企業の通販物流問題を総合的に解決するサービスがフルフィルメントサービスです。


フルフィルメントの意味は?

フルフィルメントは「ECサイトや通信販売事業における、受注後の商品発送、梱包、発送、決済、在庫管理などの業務の総称」を意味します。

本来、英語でフルフィルメント(Fulfillment)は、遂行・実現・履行・達成などを意味する言葉です。

フルフィルメントサービスを構成する9つの業務フローとは?

フルフィルメントサービス

フルフィルメントサービスは、次の9つの業務フローによって構成されています。

  1. 入荷管理・仕入れ
  2. 入庫・商品保管
  3. 受注・問い合わせ対応
  4. 決済
  5. ピッキング・流通加工
  6. 検品
  7. 梱包
  8. 発送
  9. 商品到着後・クレーム対応・返品交換・返金処理

「ECサイトを検討中でフルフィルメントサービスに興味がある」「自社の物流プロセスに課題を感じるためアウトソースを検討している」という事業者のために、改めて詳細をご説明します。

1.入荷管理・仕入れ

仕入れた商品が物流倉庫に届くことを入荷といいます。

卸問屋やメーカーからトラック・コンテナなどで届けられた商品について、注文書の内容と種類や数量が合っているかを確認します。これを入荷管理といいます。

2.入庫・商品保管

入荷管理が終わったら、その商品を保管場所(ロケーション)に収めます。これを入庫といいます。WMS(倉庫管理システム)を使い、しっかりと管理します。

入庫作業は一見単純ですが、数量や保管場所に少しでも誤りがあると在庫管理や出荷作業など、今後の工程すべてに影響します。そのため、非常に重要なプロセスです。

3.受注・問い合わせ対応

顧客からの受注内容をシステムに保存して、在庫をチェックします。万が一在庫がない場合は、追加発注します。

次に、注文した顧客に送付する、納期や発送の通知メール、注文書や請求書などの準備が必要です。

そして、物流倉庫に対して商品発送の出荷指示を出します。このとき、ECサイトと受注管理システムや在庫管理システムが連携していれば、受注から在庫管理までを一元管理できます。

4.決済

顧客が選択する方法で決済が行われます。クレジットカード払い、コンビニ払いなどで入金を確認します。ECサイトによっては、後払いも選択可能です。

その後、顧客に対して進捗状況を通知するために「入金確認メール」「発送通知メール」などを送ります。

顧客が代引きを指定した場合は、商品受け取りの際に代金を回収する必要があります。

5.ピッキング・流通加工

注文された商品と伝票を照合して、商品を必要な数量だけ物流倉庫から取り出します。この作業がピッキングです。重量のある大型の商品はフォークリフトや台車を使ってピッキングする必要があります。

また、商品によっては、組み立てや値札貼り、パッケージ梱包などを行います。この作業が流通加工です。流通加工には、セット商品の詰め合わせなども含みます。

6.検品

ピッキングした商品が出荷して良い状態か、注文された数量と合致しているかを確認します。この作業を検品といいます。

食品であれば、賞味期限や消費期限、混入物の有無などが確認対象です。アパレルや電化製品など食品以外であれば、破損の有無などを確認する必要があります。

検品作業を怠ると注文数量と誤差が出たり、不良品を送ったりすることになり、クレーム発生や顧客満足度低下につながります。

7.梱包

発送する商品が傷つかないように、所定の箱に梱包します。商品の品質や鮮度を落とさないように緩衝材などを同梱する場合もあります。

また、梱包のタイミングで、感謝状や割引券、クーポンなどリピート利用を促進する工夫を凝らすことも可能です。

8.発送

梱包された商品を配送業者が集荷し、顧客のもとに商品を発送します。このとき、顧客へ「発送完了メール」「配送状況」など進捗状況を通知します。顧客に安心感を与えられるからです。

また、フルフィルメントサービスのクライアント企業様のニーズに応じて、チャータートラックなど車両手配も対応可能です。

9.商品到着後・クレーム対応・返品交換・返金処理

顧客に商品が到着したあとは、クレーム対応や返品交換、返金処理などを行います。もちろん商品やサービスに問題がなければ、これらの対応は不要です。

ただし、何らかの理由でキャンセルされたり、商品の不備が原因となってクレームが発生したりするケースもあります。

その際は、速やかにクレーム内容を確認し、クライアント企業へ報告して返品交換や返金処理をします。

フルフィルメントサービスのメリット4つ

フルフィルメントサービスには以下4つのメリットがあります。

  • リソースを本業に振り分けられる
  • リードタイムを短縮できる
  • 保管倉庫が不要でコスト削減できる
  • 流通加工ができる

リソースを本業に振り分けられる

商品受注から発送までの一連の業務をアウトソースできるため、リソースを本業に振り分けることが可能です。

受注管理、顧客情報の管理、在庫管理や追加発注などを自社で行うと、販促・広報活動などにリソースが割けません。

フルフィルメントサービスを活用すれば、受注から配送までのバックヤード業務はすべてアウトソースでき、自社では企画やマーケティング、販促活動などに集中できます。

リードタイムを短縮できる

ECサイトを利用する顧客の「実店舗に行かず商品を購入したい、すぐに手元に欲しい」というニーズを満たすためには、リードタイムの短縮が必要不可欠です。

フルフィルメントサービスでは、商品受注から発送までにかかる手間と時間(リードタイム)を大幅に短縮でき、安定的に顧客へ商品を届けられます。

フルフィルメントサービスは、受注から発送、顧客のカスタマーサポートまでを一元管理し、コンタクトセンターと一体化したシステムなどを活用することでリードタイムを短縮します。

保管倉庫が不要でコスト削減できる

フルフィルメントサービスを活用すれば、自社で商品の保管倉庫を設ける必要がありません。

倉庫レンタル料、管理スタッフの人件費、在庫管理にかかるシステム利用料なども不要です。

流通加工ができる

商品到着後に顧客の作業負担を軽減するよう、発送前に組み立てや初期設定を行う設計などの流通加工が可能です。

購入後に「すぐ使いたいから初期設定をしてほしい」「時間がないから組立してほしい」という顧客も一定数存在します。

フルフィルメントサービスを活用すれば、流通加工が可能なため、購入後の顧客の作業負担を減らすことができ、顧客満足度の向上が期待できます。

フルフィルメントサービスとEC事業の関係とは?

フルフィルメントサービスはEC事業の根幹となる業務全般を担っています。

EC事業では、顧客から商品の受注を受け、在庫管理、発送、商品到着後のカスタマーサポートまで一連の業務を行う必要があります。

「良い商品をすぐに届けてほしい」という顧客ニーズを満たすためには「スピード」と「品質」を保たなければなりません。また、万が一トラブルやクレームが発生した際の「カスタマーサポート」も必要です。これらが1つでも欠けると顧客満足度は低下し、顧客離れが進みます。

EC事業を成功に導くためにはフルフィルメントを充実させる必要があるため、フルフィルメントサービスの専門業者へアウトソースすることが望ましいのです。

フルフィルメントサービス導入を検討したい事業者

ここでは、フルフィルメントサービスを導入すべき事業者の特徴を説明します。

EC事業をスタートして間もない

ECサイトや通信販売事業をスタートして間もない事業者は、フルフィルメントサービス導入をご検討ください。

なぜなら、物流に関する課題や顧客の問い合わせ対応までトータルに委託できるため、より効率的に利益を出せるからです。

物流ノウハウに乏しい状態では、問い合わせ対応を見落とす、配送遅滞など顧客満足度を下げるリスクがあります。

副業や兼業でECサイトを運営している

副業や兼業でECサイトを運営している事業者は、受注から発送、在庫管理や決済、問い合わせまで全てに手が回らないケースが多いです。

顧客は「より早く商品が欲しい」「不満や疑問はすぐに解消したい」と考えています。

フルフィルメントサービスを活用して、通販に関するバックヤード業務全般をアウトソースした方がより効率的にECサイトを運営できるでしょう。

注文増加による機会損失を減らしたい

ECサイトへのアクセス増加やセール、季節変動により、注文数や商品取扱量が増えた場合に在庫スペース確保や人員調整を行う必要があります。すると、自社だけでは対応しきれず出荷が遅れてしまうことがあります。

また、配送業務に追われてしまうと「今後どうすれば注文を増やせるか」「顧客がより満足するサービスは何か」など将来の事業戦略を練る時間が不足します。

そのような機会損失を減らし、注文数が増加しても全件出荷対応できるようフルフィルメントサービスの活用がおすすめです。

リアルタイムで在庫管理や出荷を行いたい

リアルタイムに在庫管理や出荷を行わないと、欠品や誤出荷などトラブルの原因となります。自社でアナログな管理を続けていては、注文数増加や繁忙期に対応できないことも増えるでしょう。

フルフィルメントサービスでは、受注管理システムや基幹システムとの連携も可能です。また、個人向けと法人向けの在庫であっても一元管理できるため、管理コストも削減できます。

システマチックな在庫管理や出荷を実現するためにも、フルフィルメントサービスはおすすめです。

まとめ

商品の受注から発送、顧客のカスタマーサポートまでの業務を含むフルフィルメントは顧客満足度に直結するため、とても重要です。

「タイムロスが多く商機を逃してしまう」「物流プロセスに問題を抱えている」「発送業務に追われ在庫管理や顧客管理にリソースを割けない」などの悩みを抱える事業者は博報堂グループの日本トータルテレマーケティング「フルフィルメントサービス」導入をご検討ください。

コンタクトセンターで培った通信販売業の運用ノウハウを活かし、受注、出荷、在庫管理や商品発送までのバックヤード業務をトータルにサポートいたします。

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