営業環境の変化
新規顧客の開拓は情報収集~案件化まですべて営業が行っている、という企業は多いのではないでしょうか。昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大や働き方改革の影響で、企業の急激なデジタルシフトが進み、飛び込み営業やテレアポなど従来の営業活動に支障が出ている企業も少なくありません。
BtoB企業においても、クライアント企業が商品・サービス検討前にインターネットで情報収集することが多く、Webサイトの重要性は年々増加しております。つまり、情報収集の段階で提案活動が始まっているということであり、営業電話よりもインターネットの方が一次アプローチとしては有効的なのです。
従来の営業スタイル:オフライン施策
(図1:オフライン中心の営業プロセス)
オフライン施策を行う企業では、企業分析~クロージングまでのほとんどを営業担当者が行う場合が多く、成果が個人スキルに依存している傾向があります。前述にあるように、企業における購買行動が変化してきているなか、効率的な営業活動に難しさを感じている企業も多いのではないでしょうか。
(図2:オフライン施策のメリットとデメリット)
効率的な営業活動を推進していくには、オフライン施策にオンライン施策を組み合わせることが効果的です。まずは、3つに分類したオフライン施策のメリットとデメリットを確認し、変えるべき部分と残すべき部分を確認しましょう。
多くの営業担当者は既存顧客を抱えながら新規顧客開拓を行う場合が多く、営業の業務負担が大きくなる傾向があります。
そのため、新規顧客開拓に取り組む時間の確保が難しくなり、KPIが達成できない企業は多いです。一方、オンライン施策はアプローチの自動化を実現し、効果を数値で確認できるなど有効的な手段となります。今までのオフライン施策にオンライン施策を組み合わせることで、営業の負担を減らしつつ、新規顧客開拓の推進が可能となるのです。
今後の営業スタイル:オフライン施策+オンライン施策
(図3:オンライン施策を組み合わせた営業プロセス)
営業の負担が大きい見込み顧客の創出(リードジェネレーション)や育成(リードナーチャリング)は、オンライン施策を組み合わせることで効率的に効果を生み出すことができます。
オフライン施策はセミナー参加者やイベントで獲得した名刺情報をもとにインサイドセールスを実施し、見込み顧客を創出するアウトバウンド型の営業を行う場合が多いです。
一方で、オンライン施策は見込み顧客がWebサイトで情報収集をしながら問い合わせに至るインバウンド型の営業に繋がります。つまり、オンライン施策は今までのように営業を仕掛けに行かなくても待っているだけでチャンスが生まれる仕組みを構築できるのです。
オンライン施策では、Webサイトの改善やサイト内コンテンツの拡充、MA(マーケティングオートメーション)の利用などマーケティング部門の領域も多く、本格的な運用を目指すためにはマーケティング部門との連携が必要となります。
これらの連携が実現することでマーケティング部門は顧客分析ができるようになり、営業部門は商談化~クロージングに注力することができます。そのため案件獲得数の向上が見込めるなど、オンライン施策の導入をマーケティング部門と営業部門が連携することによってさまざまなメリットを生み出すことが可能になります。
まずはスモールスタート|最低限取り組むべきオンライン施策
オンライン施策の導入は、社内体制の調整やコストを考慮すると、段階的に導入していくことを推奨します。まずは、リードジェネレーションをオンライン化し、インバウンドで見込み顧客を獲得することを目指しましょう。
具体的には、WebサイトのSEOやSEOを考慮したコンテンツ(ホワイトペーパー/ダウンロード資料/ブログ記事など)作成を行い、Webサイトへの流入を増やしていくことからスタートすると良いでしょう。
関連記事:「これからBtoB企業が取り組むべきリードジェネレーションとは 」
将来的に取り組むべきオンライン施策
本格的にオンライン施策を活用したマーケティングを運用するためには、組織間連携と役割分担の明確化が必要となります。
マーケティング部門は社外向けの情報発信を持続的に行う仕組み作り・運用、顧客分析をもとに戦略立案・実行を担当し、営業部門はマーケティング部門から来たリードを商談化・受注に向けて対面アプローチを実行。
その他にもマーケティングと営業を統括する部門を設置し、2部門の密な連携を実現、など。これらは一例ですが、組織の整理や連携のレベルによって結果が異なってくる部分でもあるため、効果を出し続ける仕組みを整備していくことを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ